作者関口 浩 サイズ(cm)F8号

 

宙ノ渚F8号

~宙ソラのささやき~

人間界でどんな事象が起きようとも自然や宇宙の営みはゆっくりと進

み、分け隔てなく私たちにその力はアフォードされ、生きる力を与えてく

れます。日常の喧騒からふと放たれた時に何気なく天空を見上げてみると

当たり前のように夜が明け、日が輝き、たそがれ、再びこの世は闇に包ま

れる・・・そんな繰り返される「時の循環性」や「自然の営み」に感謝の

意を込めて、複数の時間軸を行き来し、命を感じながら地上にそそがれる

ひかりや宙からのささやきを優しく画面に表現しています。

 展示作品の多くに「裏銀箔薄墨もみ紙」を自ら施した和紙に制作した作

品がありますが、それは単なる偶然の模様をつくるのではなく、和紙の素

材である木の年輪を平面上に再表出させ、天空や天体・時空の存在を意識

した自然への畏敬の念を込めたフォルムを創りあげています。

宙を主題とした作品では、朝焼けや夕映えなどを1枚の画面に同時に描

きだす日本画古来の「異時同図法」を使って空間や時間を表現し、そこに

私たち人間や地球上の全ての生きものの営みが絶え間なく循環し続けて

ほしいという願いが込められています。 関口 浩

 

関口 浩 略歴

1968年 埼玉県生まれ

1995年 多摩美術大学大学院 美術研究科修了

個展、グループ展 毎年開催

2021年 関口浩 現代日本画展

故 松尾敏男氏に師事